妊婦さんが、戌の日に行う安産祈願ですが、神社にご祈祷をお願いする際には「初穂料」が必要になります。
初穂料として包む金額やのし袋の書き方、渡し方やお札の入れ方などの初穂料に関するマナーをひとつずつ解説していきます。
・妊婦さんやそのご家族
・戌の日の安産祈願へ行こうと思っている方
・初穂料について知りたい方
戌の日安産祈願の初穂料の相場
初穂料とは
神道において、初穂(稲穂)の代わりとして納める金銭を初穂料(はつほりょう)と言います。神社に対し、ご祈祷やお祓い、祝詞の謝礼として渡す金銭の表書きに初穂料という名称を用いるのです。
戌の日の安産祈願では多くの妊婦さんが、ご祈祷を申し込んでご祈祷をあげてもらいますが、神社本殿やお寺の本堂前でお賽銭をして参拝だけする場合には、初穂料は必要ありません。
初穂料の相場
安産祈願の初穂料の金額は、神社によって異なります。相場はだいたい5,000円〜10,000円です。ほとんどの神社で、初穂料の金額が設定されていますが、中には「お気持ちで」とはっきりとした金額が決まっていない神社もあります。
安産祈願でご祈祷をあげてもらう場合は、神社のホームページなどで、初穂料にいくらかかるのか事前に調べておきましょう。急に値上がりする場合もあるので注意してくださいね。
「お気持ちで」と記載させれてる場合には、安産祈願の初穂料の相場である5,000円〜を準備しておくのがいいでしょう。
水天宮:8,000円
鬼子母神堂:5,000円
鴻神社:5,000円
川越氷川神社:お気持ちで
授与品
安産祈願でご祈祷をあげると、授与品として安産のお守りや腹帯などがもらえますが、神社によって授与品の内容は様々です。
ご祈祷はせず参拝のみの場合でも、社務所(受付)などで授与品を購入することはできます。
また、納める金額の多さで、お守りや御札などの授与品の品数や種類が変わる神社もあるので、それらも含めてホームページで確認しておくのがいいでしょう。
戌の日安産祈願の初穂料の書き方
のし袋の選び方
戌の日の安産祈願などで、ご祈祷をあげてもらう際に渡す初穂料は、のし袋(金封)に包んで渡すというしきたりが昔からあります。
安産祈願の初穂料を包むのし袋は、慶事用(祝儀袋)で紅白蝶結びの水引を選びましょう。安産祈願で有名な水天宮など、のし袋に包まなくてもいいとしている神社もあります。
表書き
表書きの上段(水引の上)には、「初穂料」または「御初穂料」と書きましょう。どちらでもいいですが、迷った時は「御初穂料」と書いておくといいでしょう。
戌の日の安産祈願をお寺で行う場合には、表書き上段に「御布施」と書きますが、「御初穂料」と書いても問題ありません。
表書きの下段(水引の下)には、夫婦の姓のみ、または夫婦の姓名を連名で書きましょう。どちらでもいいですが、迷った時は姓のみ書いておくといいでしょう。
中袋
のし袋の中袋には、表面に包む金額を書き、裏面の左下の方に住所と氏名を書きましょう。氏名は、夫婦の姓名を連名で書くといいでしょう。
のし袋に金額を書くときには旧漢数字を使い、金額の前には「金」を付けます。金額の後に「也(なり)」を付けることもありますが「也」を付けるのは、10万円以上の高額の場合です。
3,000円:金参阡円
5,000円:金伍阡円
8,000円:金八阡円
10,000円:金壱萬円
中袋がない場合の裏書き
水引が印刷されている封筒タイプのものだと、中袋が付いていません。水引が印刷された封筒タイプは、包む金額が1万円以内であれば使うことができます。
戌の日の安産祈願で納める初穂料を包むのし袋では、このタイプが使われることも多いです。中袋がある場合には、金額と住所氏名は中袋に書きますが、ない場合には裏面に金額と住所を書きましょう。
中袋なしの場合は、表書きに名前は書いてあるはずなので、裏面にも名前を書く必要はありません。
のし袋の裏面の左下のほうに寄せて、金額を右側に、住所を左側に書くようにしましょう。中袋に書く時と同じように、金額には旧漢数字を使ってください。
戌の日安産祈願の初穂料に関するマナーQ&A
Q、五千円を包む時は1,000円札×5枚でもいい?
A、これは、どちらでも構いません。ただ、一般的には五千円札1枚で包むほうが良いとされています。
Q、新札を入れるべき?
A、できれば新札を入れるのがいいでしょう。新札がなければ、折れ曲がっていない綺麗なお札を包むようにして、くしゃくしゃのお札を包むのは避けてください。
Q、お札を入れる向きは?
A、封筒の表面を上にしてお札を取り出したときに、表の人物部分がまずはじめに出てくるように入れましょう。下の写真を参考にしてください。
Q、ふくさは必要?
A、初穂料はふくさに入れるのがマナーとされていますが、必ずしも入れなくてはいけないわけではありません。ふくさがなければ、無地で派手すぎない明るい色のハンカチで代用もできます。
Q、渡し方のマナーは?
A、ふくさに入れている場合は渡す相手の目の前でふくさから出して、初穂料が相手向き、正面になるようにして渡します。その際に畳んだふくさは、台にして初穂料を上に乗せた状態で差し出すか、受付台に置いておきましょう。
ふくさがない場合も上と同様にして渡しましょう。渡す時に丁寧な言葉を添える場合は、「お供えくださいませ」や「御神前へお捧げくださいませ」と伝えるといいでしょう。