「妊娠中に柿を食べ過ぎると流産する」と聞いたことがある妊婦さんも少なくないはず。一方で柿は栄養が豊富なことから「柿が赤くなると医者が青くなる」ということわざもあります。
妊婦さんが柿を食べることについては、様々な説や噂があります。そこで、妊婦さんが柿を食べるとどんなメリットやデメリットがあるのか詳しく解説していきます。
この記事でわかる事
- 柿と流産の関係性について
- 妊婦さんが柿を食べることのデメリット
- 柿と干し柿の栄養素と効能効果
- 妊娠中におすすめな柿の食べ方
- 妊婦さんが食べていい柿の量
妊婦は柿を食べていい?
結論から言うと、基本的には妊婦さんが柿を食べても問題ありません。
妊娠中に柿を食べる上で気になる事や心配な事について、ひとつずつ確認していきましょう。
つわり中に柿を食べていい?
つわり中の妊婦さんでも柿を食べることができます。
柿には栄養が豊富に含まれているため、つわり中であまり食べ物を受けつけない場合でも、柿なら食べられそうであれば積極的に食べましょう。
ただし、柿には体を冷やす成分が含まれているため、食べ過ぎるとつわりの症状を悪くさせる可能性もあるので、食べる量には注意してください。
妊娠中に柿を食べるなら、1日1個までにしておくのがいいでしょう。
妊婦が柿を食べ過ぎると流産する?
昔は「妊婦が柿を食べると流産する。」と言われていました。今でも、その迷信を耳にしたことがある妊婦さんも少なくないでしょう。
しかし、流産の原因は染色体異常であることがほとんどです。昔は、流産に関する研究が進んでいなかったこともあり、妊娠中に食べた食べ物に原因を作り、流産したショックを乗り越えていたと考えられます。
また、柿を食べ過ぎると下痢になることから、流産と関連付けられていたとも考えられます。
しかし、これらには医学的根拠はないため、柿を食べたからといって流産を心配する必要はありません。
妊婦が柿を食べると体が冷える?
「柿を食べると体が冷える」と聞いたことがある妊婦さんもいるかと思います。どの果物にも解熱作用がありますが、その中でも特に柿は妊娠中に食べるべきではないとされています。
その理由は、柿の収穫時期の季節が秋であることも関係しています。秋は寒くなり始める季節であり体温が下がりやすいため、柿の解熱作用が大きく働き、妊婦さんの体を冷やしてしまうと考えられているのです。
また、柿には「タンニン」という成分が含まれていて、このタンニンには鉄分の吸収を阻害する働きがあります。
鉄分が吸収されなくなると、体の中の血の巡りが悪くなって体の冷えや貧血を招く可能性もあるとされています。
しかし、妊娠中に柿を食べることのデメリットよりも、栄養価の高い柿を食べるメリットのほうが上回っていると言えるため、食べ過ぎなければ「柿による体の冷え」は気にする必要はないでしょう。
妊娠中も嬉しい柿の栄養価
「柿が赤くなると医者が青くなる」という言葉ことわざを知っていますか?このことわざには、柿が実をつけて赤くなる頃は、気候がよく病人が減るので、医者が困るという意味があります。
また、柿には医者が青くなるほどの栄養素が含まれているとも言われています。
では、柿にはどんな栄養素が含まれていて、どんな効能効果があるのかも確認していきましょう。
【柿に含まれる栄養素】
ビタミンC
βカロテン
βクリプトキサンチン
タンニン
カリウム
アストラガリン
葉酸
【柿の栄養による効能効果】
- 風邪やインフルエンザ予防
- 美肌効能、美白効果
- 老化防止
- 血圧上昇の抑制
- むくみ解消
干し柿の栄養価
巷ではスーパーフードとも言われている干し柿ですが、妊婦さんは干し柿を食べても問題ありません。
同じ柿でも、生と干したものでは栄養素に違いがあります。そこで、栄養量を確認しつつ、生の柿と干し柿の栄養素にどんな違いがあるのかも、ざっと確認していきましょう。
干し柿も栄養豊富ですが、カロリーが大幅に増えビタミンCが極端に減るため、妊婦さんにはそのままの柿がおすすめです。
妊婦が柿を食べる時の注意点
妊婦さんが柿を食べる時に注意するべきことや、おすすめの食べ方をまとめるとこのようになります。
- 空腹時には食べない
- 温めて食べる
- 食べ過ぎない
では、ひとつずつ詳しく確認していきましょう。
空腹時には食べない
渋柿にはタンニンという成分が含まれていて、渋さの原因はタンニンです。「柿タンニン」と呼ばれることもあります。
タンニンには、抗酸化作用や美肌効果がありますが、空腹時にタンニンを含む食べ物を食べると、まれに胸焼けや胃痛を起こす方もいます。
妊娠中は念の為に、空腹時に柿を食べることを避けるようにすると安心です。
温めて食べる
柿は体を冷やす果物と言われています。妊婦さんにとって体の冷えは大敵です。
ただでさえ妊娠中は、ホルモンバランスの変化による体温調節や姿勢の変化による血行不良などにより、体が冷えやすい状態であると言えます。
【妊娠中の冷えによる影響】
つわりの悪化
お腹の張り
便秘
むくみ
そのため、体を冷やす果物とされる柿を食べ過ぎないように注意しましょう。
また、妊娠中の冷えが気になる妊婦さんは、柿を温めて食べるのがおすすめです。柿に含まれるシトルリンは、血流の改善やむくみ、冷えに効果的と考えられています。
柿を加熱することでシトルリンの含有量が増えるという研究結果が出ているのです。
食べ過ぎない
結局のところ、妊婦さんは柿を1日にたくさん食べ過ぎなければ問題ありません。
柿を食べ過ぎることの問題点として、上で紹介したこと以外に以下のようなことが挙げられます。
- 果糖が多いため食べ過ぎると血糖値が上がり、肥満や妊娠糖尿病につながる可能性がある。
- 柿に多く含まれるタンニンには、鉄分の吸収を阻害する作用があるため貧血になりやすくなる。
これらのことを考慮して、妊娠中に柿を食べるのは1日1個までにしておくといいでしょう。
妊婦は柿を食べて大丈夫だけど食べ過ぎには注意
妊婦さんでも柿を食べられることがわかりました。柿には妊娠中も嬉しい栄養素がたくさん含まれているので、積極的に食べるといいでしょう。
ただし、食べ過ぎには要注意です。柿を食べ過ぎると、
- 冷え
- 貧血
- 太る
- 妊娠糖尿病
などにつながる可能性があるのです。体の冷えを予防するためには、柿を温めてから食べるのもおすすめです。
また、柿に含まれる成分によって、空腹時に食べると胸焼けや胃痛を起こす場合もあります。そのため、空腹時に柿を食べることは避けるようにすると安心です。