母乳育児をしていると、母乳がいつまで出るのか気になりますよね。卒乳後、しばらく経っても母乳のような液が出るのはなぜなのか、問題がないのかも知っておきたい情報です。
また、母乳が出続けることによって引き起こる症状や、卒乳後のおっぱいのケア方法などもまとめました。
母乳が出るしくみ
妊娠すると、プロラクチンという乳腺の発達を促すホルモンと、プロゲステロンという母乳が出ることを抑える作用のあるホルモンの分泌が盛んになります。
プロゲステロンの働きが作用することで、妊娠中は乳房が大きくなっても母乳が出ることはほとんどありません。
出産すると、そのプロゲステロンの分泌が弱まり、母乳を体外に出そうとする働きのあるオキシトシンというホルモンが分泌されるようになります。
始めに説明したプロラクチンとこのオキシトシンは、赤ちゃんにおっぱいを吸ってもらうことで刺激され、更に分泌量が増えるのです。
出産直後は母乳があまり出ていなかったのに、赤ちゃんにおっぱいを吸わせているうちに、だんだん母乳が出るようになったということもよくあります。
つまり、母乳をたくさん作ったり、出を良くするためには、赤ちゃんにおっぱいを吸ってもらうことが大切になってきます。
母乳はいつまで出る?
結論から言うと、母乳が完全にでなくなるまでには個人差があります。基本的には、赤ちゃんが母乳を吸っている限り、母乳は出続けます。
母乳は、赤ちゃんがおっぱいを吸うことにより、刺激されて出てくるようになるので、あげる回数を減らしたり、卒乳すると出なくなります。
ただし、急に出なくなるわけではありません。卒乳してから、おおよそ半年から1年をかけて少しずつ出なくなっていくのです。
この出なくなるまでの期間に、個人差があるというわけです。
卒乳したのに絞ると出る液は?
卒乳から1年以内の場合
だいたいの場合は、卒乳から半月から1年くらいの間に母乳が出なくなります。その期間内に絞ったときに出る液は母乳です。
おっぱいを絞ったり、乳首に刺激を与えてしまうと、母乳が分泌されてしまう可能性もあるので、張りがない場合なら気になっても絞らないようにしましょう。
卒乳から数年後の場合
卒乳してから1年以上、2年や3年経っているのに、まだ母乳らしき液が出る方もいます。ホルモンの分泌量などは人それぞれなので、母乳が完全に出なくなるまでの期間も人それぞれです。
健康面に特に問題がなくても、人によっては4年や5年も、絞ると母乳が出るという方もいます。ただし、注意が必要なのが以下に当てはまる場合です。
- 片側だけ出る
- 分泌液が1箇所の入館口から出る
- 赤っぽい液が出る
当てはまる場合は、重大な病気にかかっている可能性もあるので、早急に病院へ受診しましょう。また、当てはまらなくても気になるなら早めに診てもらうようにしてください。
母乳が止まらないと高プロラクチン血症の場合も?
高プロラクチン血症は、男女共にかかる可能性のある病気ですが、女性に起こる症状として以下のようなことが挙げられます。
- 妊娠していないのに母乳が出る
- 無月経、月経不順
- 排卵障害による不妊
- 黄体機能不全
産後にかかる人も多いといわれている高プロラクチン血症ですが、プロラクチンというホルモンの血中濃度が高くなることによって起こる疾患です。
産後に起こる原因のひとつとして、妊娠中や授乳中にはプロラクチンが多く分泌されるからと考えられます。
治療法は、高プロラクチン血症にかかってしまった原因によって異なるので、まずは病院へ受診して、医師に相談してみましょう。
卒乳したのに母乳が沢山出るなら
卒乳をしたのに、おっぱいが張ってしまうことがあります。母乳の分泌がまだ多い時期に卒乳した場合に、搾乳を我慢すると乳腺炎になる可能性があるので注意が必要です。
もちろん、搾乳機などを使ってしっかりと搾乳をしてしまうと、まだ母乳が必要なのかと身体が勘違いをしてしまい母乳を作り始めてしまいます。
卒乳後に母乳によっておっぱいが張っても、最初のうちは絞らずに張っている状態のままにしておくことも大切ですが、適度に搾乳するようにしましょう。
卒乳、断乳後の搾乳量は、左右合わせて30~50ml程を目安にして、1日に3回程度おこなってみてください。
乳腺炎になってしまうと、乳腺がつまったままだったせいで、次の子の産後に母乳が出にくくなる原因にもなりかねません。卒乳後もしっかりケアをして予防しましょう。
卒乳後のケア方法や注意点
卒乳、断乳後の母乳の分泌量を減らすためには、おっぱいのケアをすることも効果的です。また、母乳の分泌を促さないためにも、生活の中で注意することがあります。
マッサージ
乳腺炎やしこりの原因になる可能性のある、おっぱいの中に残った母乳を流す出すために行います。パンパン、カチカチになったおっぱいのケア方法のひとつです。
やり方は、両手でおにぎりを握るようにおっぱいを包み、外側から内側に向かって搾ります。毎日はやらずに、張りを感じたときにやるのがポイントです。
冷却
母乳を定期的に絞り出しても、すぐに張ってきてしまう場合は、おっぱいを冷却してみましょう。冷えピタを貼ったり、保冷剤にタオルを巻いたものを脇に挟んでみるのもおすすめです。
ハーブティー
ハーブティーを飲んで、身体の内側からケアするのもおすすめです。卒乳後も母乳が止まらないママに向けて作られたハーブティーで、人気の商品がこちらです。
食事
高カロリー高脂肪の食事を沢山とってしまうと、乳腺が詰まってしまう可能性があります。なるべく和食中心の食事を意識しましょう。また、食べ過ぎも母乳の分泌を促す原因になるので気を付けましょう。
下着の締め付け
下着の締め付けが原因で乳腺炎になることもあります。卒乳、断乳後は、しばらくゆったりとした締め付けのない下着を着用しましょう。
母乳がいつまで出るかは人それぞれ
卒乳や断乳をしたのに、しばらく経っても母乳が止まらないと心配になりますよね。でも、母乳が完全に止まるまでの期間は、人それぞれです。
卒乳後から半年以内に母乳が出なくなる人もいれば、3〜4年経っても絞れば出るという人もいるくらい、ママによって期間が異なります。
長い期間出続けても問題ない場合もありますが、何か異常があって母乳が出続けている可能性もあります。少しでも気になったら、早めに病院へかかるようにしてください。