妊婦さんが草むしりやガーデニングをすることで起こるリスクがあるってご存知ですか?実は、妊娠中の草むしりやガーデニングには様々なデメリットがあるんです。
今回は、妊婦さんが草むしりやガーデニングをしてはいけないと言われる理由や、どんな危険性があるのか、また、その危険を予防することはできるのかについても解説していきます。
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妊婦が草むしりやガーデニングをするのはNG?
結論から言うと、妊婦さんが草むしりやガーデニングを行うにはリスクがあるため、やらないほうがいいでしょう。
土の中には、妊婦さんが感染してしまうと重症な場合にお腹の赤ちゃんへ悪影響を与えてしまう可能性を持つ、トキソプラズマという原虫がいるためです。
必ず土や砂に混じっているわけではなく、猫のフンから出てきたトキソプラズマのタマゴが含まれている可能性があるのです。トキソプラズマのタマゴは、1年以上も感染力を有しています。
タマゴは、水よりも比重が軽く、雨が降ると土の表面に浮き上がって、広範囲に流され広がっていきます。
そのため、妊娠中は、極力草むしりやガーデニングをせずに過ごしましょう。もし、雑草が気になったり、今まで育てていた草花が気になる場合は、ご家族に協力してもらうのがおすすめです。
また、草むしりであれば除草剤などを使うのもひとつの方法ですよ。
妊婦の草むしりやガーデニング:トキソプラズマについて
トキソプラズマの感染源
トキソプラズマ症とは、トキソプラズマという原虫により起こされる感染症です。草むしりやガーデニングなどの土いじりからの感染以外にも様々な感染経路があります。
【トキソプラズマの感染経路】
- 土を触った後に口や目を触った
- 加熱が不十分な食肉を食べた
- 猫のフンを触った後に手洗いが不十分なまま食事をした
- 野良猫に触れた
- 土のついた野菜などをよく洗わずに食べた
- 湧き水や井戸水を飲んだ
トキソプラズマは、空気感染などはせず、人から人への感染はありません。また、ネコ科動物以外のペットからの感染はしません。
母体から胎児への感染
トキソプラズマは、日本の成人の5~40%が抗体陽性反応を示すと言われるありふれた感染症で、健康な人が感染したとしても、症状が出ないか軽い症状で済むことがほとんどです。
一度トキソプラズマに感染すると体内で抗体ができるため、問題なのは妊娠してから初めてトキソプラズマに感染した場合です。
妊婦さんがトキソプラズマに初めて感染した場合のお腹の赤ちゃんへの感染率は、妊娠時期により異なり約10〜70%で、妊娠末期になるほど感染率は上がりますが、妊娠初期に感染するほど重症化しやすいと言われています。
妊娠中にトキソプラズマに初感染し、胎盤を通して赤ちゃんに感染した場合のことを「先天性トキソプラズマ症」と言います。
先天性トキソプラズマ症になると
先天性トキソプラズマ症にかかった時の症状としては、発症しない場合から、流産や死産に至るまで様々です。
【先天性トキソプラズマ症の4大徴候】
- 水頭症
- 脈絡膜炎による視力障害
- 脳内石灰化
- 精神運動機能障害
妊婦の草むしりやガーデニング:トキソプラズマ感染を防ぐことはできる?
妊婦さんが草むしりやガーデニングをする際に、トキソプラズマ感染を防ぐためにできることはあります。
まず、土をいじる時は必ず手袋をしてください。手袋といっても、軍手などではなく、水を通さないゴム手袋などを選ぶようにしましょう。
そして、土をいじった手で汗を拭ったり顔をこすったりは絶対にしないでください。
また、草むしりやガーデニングをした後は、手袋をしていて直接土に触れていなくても、手指を石鹸と温水でしっかり洗いましょう。
ゴム手袋をする
顔や目をこすらない
石鹸と温水で十分に洗う
妊婦の草むしりやガーデニング:他にもおすすめしない理由
妊娠さんが草むしりやガーデニングをすると、トキソプラズマ症の危険性があることがわかりましたが、他にも妊娠中の草むしりやガーデニングをおすすめしない理由があります。
綺麗を維持するのが難しい
妊婦さんは、つわりや体の変化によって、妊娠前にできていたことでも同じようにやるのが難しくなることもあります。
お庭のお手入れは定期的に行うことで綺麗を保つことができますが、特にお腹の大きくなってきた妊婦さんにとっては、雑草を取るのもお花を植えるのも一苦労です。
ガーデニングを始めると、お花には水をあげることが日課になりますが、それをプレッシャーに感じてしまう可能性もあります。
また、産後には、自分の趣味の時間がなくなることはよくあります。慣れない赤ちゃんのお世話に追われて、ガーデニングどころではなくなることも考えられます。
日焼けによるシミ
妊娠中はエストロゲンとプロゲステロンというホルモンの分泌量が増えます。この2つのホルモンは、メラノサイトを活性化してメラニン色素の生成を促します。
また、妊婦さんはお腹の中に赤ちゃんという異物がいるストレスがあるため、そのストレスによってメラノサイトが大きくなるとも言われています。
つまり、妊娠中はシミやそばかすができやすくなるため、ガーデニングなど屋外に長い時間いるとシミそばかすができる原因となってしまうのです。
体勢がきつい
妊婦さんにとって、しゃがんだり立ったりするのは、バランスが取りづらく転倒しやすい動作と言えます。
しゃがむ体勢だとお腹を圧迫してしまうので、妊娠中は気をつけなければなりません。更に、妊娠初期でのスクワットと同じような動きは良くないとも言われています。
また、重いものを持つことにもリスクが生じます。
炎天下での体調不良
夏場は炎天下の中でガーデニングすることになるため、脱水症状や体調不良になりやすいです。
妊婦さんは、つわりなどによっても体調が変化しやすいので、長い時間日光にさらされることは避けたほうがいいでしょう。
妊婦の草むしりやガーデニング:エアプランツがおすすめ
もともとガーデニングや植物が好きな方が、急にやめるのはちょっと寂しい気持ちになりますよね。
そこで、おすすめなのがエアプランツです。エアプランツとは、土のない空中で育つ植物であることから、エアーという呼び名がついた植物です。
水やりの回数も少なく管理が楽なので、妊婦さんの負担になりにくく、おしゃれな植物を育てられます。また、土に植える必要がないので、トキソプラズマ感染のリスクもありません。
妊婦は草むしりやガーデニングを控えよう
妊婦さんにとって草むしりやガーデニングをすることは、デメリットになることのほうが多いです。
妊娠前からガーデニングが趣味だった方が急にやめるのは、なかなか難しいかもしれません。もし、継続してガーデニングなどを行う場合には、トキソプラズマ感染しないためにも予防をしましょう。
また、植物を育てたりするのが好きな方には、土不要で水やりもほとんどいらないエアプランツがおすすめなので、ぜひ試してみてくださいね。