甘くて美味しいティラミスを食べたいと思っている妊婦さんも多いはず。しかし、妊婦さんがティラミスを食べるのは、リスクが高いと言えます。
妊娠中にティラミスを食べるとどんな影響や危険の可能性があるのか、詳しくまとめました。また、すでにティラミスを食べてしまった妊婦さんはどういった対処をすればいいかも紹介しています。
いくつかのリスクや注意点をクリアすれば、妊婦さんでもティラミスを食べることもできるので、ぜひ最後まで目を通してみてください。
この記事でわかる事
- 妊娠中のティラミスが高リスクな理由
- 注意したいティラミスの原料
- ティラミスを食べてしまった時の対処法
- 妊婦さんがティラミスを安全に食べるための条件
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妊婦がティラミスを食べないほうがいい理由︰リステリア菌
妊婦が注意すべきリステリア菌とは
ティラミスにも混入している可能性があるリステリア菌ですが、まずは、そもそもリステリア菌とは何かを説明していきます。
リステリア菌とは細菌の一種で、自然界に広く分布していて、食べ物などを通じて人に感染することがあるのです。
リステリア菌による感染症にかかった場合のことをリステリア症といいますが、非常にまれな感染症です。しかし、妊婦さんは要注意な感染症でもあります。
なぜなら、健康な大人に比べ、妊婦さんはリステリア菌に20倍以上も感染しやすい状態であり、過去には、10~40歳でリステリア症にかかった人のうち約60%が妊婦さんであったとの報告もあるからです。
また、妊婦さんがリステリア症にかかった場合、健康な大人がかかるよりも症状が重くなることが多いとも言われています。
最悪の場合だと、流産や早産、死産の原因になる可能性もあり、胎内で赤ちゃんに感染して、出生後に髄膜脳炎を発症して死亡するケースもあるのです。
ティラミスとリステリア菌の関係性
ティラミスにもリステリア菌が混入している可能性があると言われるのには、大きく分けて以下のような2つの理由があります。
- マスカルポーネチーズが使用されていること
- 加熱されていないこと
マスカルポーネとはイタリア原産のクリームチーズで、ティラミスの材料として一躍有名になったことでも知られています。
チーズには大きく分けて、ナチュラルチーズとプロセスチーズというものがあり、ナチュラルチーズにはリステリア菌感染の恐れがあるとして、妊娠中に食べることを厚生労働省が注意喚起しています。
マスカルポーネはフレッシュチーズで、フレッシュチーズはナチュラルチーズの一種なので、妊婦さんは食べないほうがいいとされているのです。
また、リステリア菌は65℃以上で数分加熱すれば死滅させることができますが、ティラミスに加熱工程が全くないことも、妊婦さんが食べないほうがいいと言われる理由です。
ティラミスを加熱すればOK?
リステリア菌は加熱することで死滅するのなら、ティラミスを加熱すればいいのではないかと思いますよね。
出来上がった状態のティラミスを加熱するとどうなるかは分からなかったのですが、ティラミスを作る工程でマスカルポーネを加熱することはできるようです。
マスカルポーネが国産または不使用ならOK?
実は、国産のマスカルポーネには生乳の殺菌作業が義務付けられています。つまり、国産のマスカルポーネなら妊婦さんでも口にすることができます。
また、マスカルポーネを使用していないティラミスも多く流通しています。加熱殺菌されたクリームチーズが使用されたティラミスを選びましょう。
しかし、妊娠中にティラミスを食べるには、リステリア菌以外にも気をつけるべきことがあります。
妊婦がティラミスを食べないほうがいい理由︰サルモネラ菌
妊婦が注意すべきサルモネラ菌とは
サルモネラ菌とは、動物の腸管や河川、下水道など自然界に広く生息している細菌です。
人へ感染するには、卵とその加工品や食肉の生食などが主な原因となっています。生卵が原因のサルモネラによる食中毒で人が死亡した事例も過去にあります。
妊娠中は免疫力が低下しているため、生卵や温泉卵などを食べることは避けたほうがいいとされています。
妊婦さんが食中毒にかかると、嘔吐が続き食事による栄養が摂れなくなったり、お腹の赤ちゃんに影響が出る可能性も指摘されています。
ティラミスとサルモネラ菌の関係性
ティラミスには卵が入っていることがほとんどで、加熱されていない生卵が使用されている場合もあります。
ティラミスによるサルモネラ感染症などもあるため、妊娠中にティラミスを食べることは避けるのが無難とされているのです。
ただ、サルモネラ菌も加熱することで死滅させることができます。サルモネラ菌の死滅温度は75℃で、1分以上加熱させる必要があります。
では、これらの細菌を死滅させれば、妊婦さんでもティラミスを安心して食べられるかというと、そうとは言えません。
妊婦がティラミスを食べる時の注意点①カフェイン
妊婦が注意すべきカフェイン量は?
知っている方も多いかと思いますが、ティラミスにはコーヒーが使用されていることがほとんどです。
コーヒーにはカフェインが含まれていて、妊娠中に過剰摂取することは危険です。
具体的にどれくらいの量からが危険かというと、WHO(世界保健機関)では1日300mgまでをカフェインの最大摂取量としています。
妊婦さんがカフェインを過剰摂取すると、
- めまい
- 心拍数の増加
- 震え
- 下痢
- 吐き気
- 胎児の低酸素状態
- 胎児の発育障害
- 低体重児
- 流産や早産
などを引き起こすリスクがあります。
ティラミスのカフェイン含有量
妊娠中にカフェインを大量摂取することは大変危険だということが分かりましたが、ティラミスにはどれくらいのカフェインが含まれているのでしょうか。
仮にティラミス1個に、インスタントコーヒー小さじ1杯分を使うとしたら、カフェイン量は84mgとなります。
カフェイン量だけで考えれば、ティラミス1個程度では問題ないかもしれませんが、食べ過ぎには十分注意しなければなりません。
妊婦がティラミスを食べる時の注意点②洋酒
ティラミスの商品の中には、洋酒が含まれていることがあります。洋酒とは、西洋系地域に由来するアルコール飲料。つまり、お酒です。
妊娠中にアルコールを摂取することは危険であり、お腹の赤ちゃんに様々な悪影響を及ぼす可能性があります。
ティラミスに限らず、妊娠中は、洋酒入りのお菓子などにも十分注意しましょう。
妊婦がティラミスを食べてしまった時の対処法
もし妊婦さんがティラミスを食べてしまっても、細菌などによる食中毒にかかることは非常にまれと言えます。
ティラミスを食べてから数日感のうちに体調の変化などがあれば、速やかに病院へ受診するようにしてください。
また、どうしても心配な場合は、担当の医師に相談してみましょう。
妊娠中にコストコのティラミスは食べられる?
コストコのめちゃくちゃ大きくてコスパのいいティラミスが好きな方も多いはず。そこで、コストコのティラミスについても調べてみました。
【原材料】
スポンジ台(砂糖、小麦粉、卵、ココア、脱脂粉乳、植物油脂、卵白)、マスカルポーネチーズ、植物油脂、砂糖、卵黄、脱脂粉乳、コーヒー豆、膨張剤、乳化剤、香料、pH調整剤、着色料(カラメル)
マスカルポーネチーズと卵、コーヒーが含まれているということで、詳しい調理工程は分かりませんが妊婦さんは食べないほうが良さそうです。
また、着色料などの添加物が含まれているのも気になります。そして、内容量は1320gなので一度に食べることはないかもしれませんが、カロリーもかなり高そうです。
妊婦がティラミスを食べる時は要注意
妊婦さんはティラミスを食べないほうがいいと言われている理由は以下の点です。
- リステリアのリスクが高いマスカルポーネ使用
- サルモネラのリスクがティラミス生卵使用
- コーヒーによるカフェインに注意
- 洋酒によるアルコールに注意
これらのリスクをクリアしたティラミスは、なかなかお店などでは見つからないと思います。
もし、妊娠中にどうしてもティラミスを食べたい場合には、手作りでこだわって作れば安全に安心して食べられるので、試してみるのもいいかもしれませんね。
妊婦さんがティラミスを安全に食べるための条件をまとめると、
- マスカルポーネ不使用か国産のものを使用
- 卵不使用
- 加熱工程がある(殺菌のため)
- コーヒー不使用
- 洋酒不使用
になります。ぜひ参考にしてみてください。